ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

あと1ヶ月

「三寒四温」とはよく言ったものです。 末端冷え性で寒いのが苦手なので、はやく冬が終わってしまえと思っています。10月頃から気温が下がり、11月には冬の風がふきはじめ雪が散らつく日もあります。12月1月、2月はサイアク。特に、北海道の左上においては2…

良い映画体験 ~お酒編~

その映画は、春から夏、秋にかけてのおはなしです。 春、彼女はノースリーブにジャケットを羽織って、お酒に顔を赤くして、屈託なく笑います。ぐい、と傾けるチューハイの缶、ダラダラと眺める深夜のテレビに、親近感を覚えました。 夏、早い日の出に青白く…

たりないわたし

まわりがみんなJ-POPやアイドルソングの話をしていたので、合わせて頷いていたのが小学生のとき。中学生のころ、J-ROCKに出会いました。高校生でテクノやオルタナティブに触れ、大学生で洋楽を聞くようになり、メタルやカントリーを知りました。大人になって…

冬のアルテに

美唄市は、道央に位置する人口2万4千人ほどのまち。かつては炭鉱があり、8万を超す人々が暮らしていました。彫刻家・安田侃さんの生まれたまちです。 彼の美術館兼アトリエ「アルテピアッツァ美唄」が炭鉱町跡にあります。山に囲まれた立地と閉校した校舎を…

黄色い花の価値

「えっ、わざわざ?」 テーブルの視線が、いっぺんに集まります。 冬、随分はやく訪れる宵の口。いつも良くしてくれるおじいちゃんが、晩ごはんがてらに宴をすると連絡をくれました。電話をもらったときすでに15時をすぎていて、わたしは、車で3時間ほどさき…

白線上を行く

それはまるで、アスファルトにすうと引かれた白線の上を歩くような。右に倒れこんでも、左に踏み外してもダメ。まっすぐ線上を行くことにこそ意味があって、両手を広げてバランスをとるような。 彼の曲には、そういう魅力があります。 おぼろげに揺れる歌声…

リップ

ないわけでは、ないのです。 朝のお化粧は、胸を躍らせます。新しい玩具を買ってもらうような、美しい景色の真ん中に立つような、純粋な期待が胸をワクワクソワソワさせます。仕事に行って帰ってくるだけの日なんてなおさら、1日で最も気分の上がるひととき…

彼女と会った朝

わたしが彼女に出会ったのは、朝、テレビ液晶のなかでした。前日の夜から始まった、1人オールナイト映画。レンタルショップで借りてきた5本のDVDに、お酒とおつまみを用意して、順繰りに見ていきます。そのなかの最後の1本で、彼女と会いました。 空がゆっく…

浪費する夜

26歳の誕生日。 特別な予定のなかったわたしを、友だちが祝ってくれました。当日、誰が、何人くるのかも知らされずに始まったパーティー。わたしの部屋を会場に、各々のタイミングでチャイムを鳴らし訪れる友だちに笑いました。 会場がわたしの部屋というこ…

たこやき

綺麗な斜線を描いたソース。湯気が、食欲を刺激する香りを運んで、鰹節を踊らせます。別添えのマヨネーズは少々かため。箸ですくって塗りひろげながら、ひとつを口に運びました。 カリッ 歯を当てると、心地良い音で生地がやぶれます。ふんわり、とろとろ溢…

卒業

わたしが大学を卒業したのは5年前。当時わたしは、サークルや学外団体に所属していて、それなりの中心メンバーでありました。学校祭の出店準備をしたり、講義終わりに1人の家に集まって仕事をして、青白い朝の光のもと家へ帰ったり。学校祭の収益で食べたう…

きょうを惜しむ

たまに、きょうを惜しむように夜更かしする夜があります。 明日があるのに飲み会で深酒したり、肌荒れするとわかっているのに化粧をおとさずに寝たり、いけないとわかっているのにせずにはいられないこと。わたしにとって、夜更かしはそれでした。 たとえば…