ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

今年さいしょのセミ

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか ポール・ゴーギャン作絵画作品のタイトルですが、妙に詩的で共感性の高い言葉です。人間ならば、父と母がいて、母の胎内で芽生えた生命が産道を通りこの世に生まれ落ちて、生きて、土に還っていく…

前髪

前髪を切りすぎました。 ひさびさに、切りすぎました。 大学時代からお世話になっている美容師さんはやたらと前髪を短くするひとで、一緒にお世話になっている母と2人で「また美容師さんに前髪もっていかれた…」と嘆いています。でも、その美容師さんもメじ…

おかえり

「こんにちは」 幼いころ、近所のひとにあいさつするのが苦手でした。とくべつ人見知りというわけではないけれど、ご近所さんとのコミュニケーションは、わたしにとってすんなりいくものではありませんでした。 「ご近所のおじちゃん、おばちゃんに会ったら…

夏がくる

「コーヒー豆を買いにいこう」 思い立ちました。 休日、昼過ぎから始めた作業には終わりが見えず、いくら、ここのところ日が長くなってきたとはいえ、すっかり夜の帳が下りています。外はひっそりとして、ひとりきりの家の静けさに拍車をかけました。 これは…

タンポポと母の悲鳴

北海道の左上では、ようやく花々が太陽に向かって花弁を広げています。スイセン、チューリップ、ナノハナ、そしてタンポポ。この春に引っ越してきた、古い一軒家の広い庭にも、タンポポがあちらこちらで咲いています。もちろん植えた覚えなどありませんから…

充実した春

つぎは、ウドをもらいました。 山菜友だち(山菜を採ってきてくれる友だち、の意)が、フキに続いてくれたのはウド。スーパーなんかで白っぽいのを見かけたことはありますが、「ほい」と手渡されたのは、深い緑色に節がぼこっとして、触るとチクチクするくら…

好きなひととわたし

「え、お姉ちゃん、それ、彼氏?」 妹が、わたしのホーム画面を見て低い声で一言。毎日目にして日常に溶けこんだホーム画面は、妹に言われてもなお、何のことやらピンときませんでした。え、わたし、彼氏なんていたっけ? 改めて見ると、ずいぶん前に好きな…

不思議なメッセージ

「一緒に行こうよ」 母にメッセージ。地元で開催されるトークイベントで、母とわたしが興味を寄せるテーマでした。 「この人が来るなら、あい、行きたいよね。いいよ、行こうか」 あら? 予想していた反応と違って、虚をつかれた気分。 母は、不思議なメッセ…

ふきの煮物、あまいかしょっぱいか

はじめてつくったフキの煮物が、しょっぱかった。 味見をしながら調味料を加えていたはずだし、味に納得したつもりで火を止めたけれど、冷まして器にあけてみると、しょっぱい気がしました。改めて見ると醤油の色が濃いし、味醂がてらっとしています。どうし…

SNS

ぴこ スマホの通知で目を覚ましました。見ると、1回目のアラームが「俺はちゃんと鳴ったぞ」と主張するとともに、SNSのメッセージ通知。友だち追加したけれどついぞやりとりのなかった知り合いから「以前お好きだと伺ったバンドが、新聞に載っていましたよ」…

ふきの煮物

「あいちゃん、食べたいって言ってたから」 山菜友だち(山菜を採ってきてくれる友だち、の意)がほしいと公言していたら、本当にいただきました。山菜が採れる山は目と鼻の先にあるけれど、どんな山菜を、どれくらいが食べ頃で、どんな風に食べたらいいかな…

サボっている

実家で眠って、夢を見ました。 わたしは学生で、懐かしい校舎にいました。友だちといて、でもその友だちの顔はぼやっとしてよくわかりません。ただ、彼女がわたしを冷たい目で見て、非難する言葉を発して、それを遠巻きに眺める人々の輪郭だけがはっきりして…

人をダメにする実家

「あなたがそう言うから、こっちで空きアパートとか見てたのよ」 母が言いました。わたしが仕事を辞めると言ったとき、家族は意外なほどすんなり受け入れてくれました。心配はされたものの、体調不良とか人生に絶望してとかいった理由ではなかったので、まあ…

実家には、猫がいます。 元野良の彼はどっしりとした体格の黒猫。保護した当初、鼻炎気味ですぴすぴ鼻を鳴らしていましたが、今ではすっかり健康です。ぽっこりお腹に毛並みをツヤツヤさせ、一緒に暮らす犬をからかっては家族に叱られています。 わたしは猫…

女の答えは

本を貸してもらいました。プロレス好きの先輩が、プロレス好きのライターさんの新刊を読んでくれといって、貸してくださいました。 わたしは、プロレスが特別好きということではありません。その先輩の話を聞き、興味を持って見に行ったことはあるけれど、そ…