ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

おうちで長編映画はいかが【オススメ5選】

外出自粛が要請された北海道。

時間ありあまる週末…おうちで映画三昧はいかがでしょう?

腰を落ち着けてガッツリ見たい長編映画オススメ5作品です。

 

1、リップヴァンウィンクルの花嫁 / 179分


『リップヴァンウィンクルの花嫁』予告編

コロコロ転がるストーリと、

岩井俊二黒木華がうみだす世界の美しさにあっという間の3時間!!!

 

ー あらすじ ーーーーーー

岩井俊二監督が、主演・黒木華と別件のCMオーディションで出会ったことをきっかけに、彼女をイメージして執筆した同名小説を映画化したもの。

内気な主人公が、社会の渦にのまれながらも懸命に息継ぎをするサスペンス・ヒューマンドラマ。ただのヒューマンドラマではない。あくまで、サスペンス。

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前情報なしで見てほしい!ので、ネット検索で出てきたあらすじを大幅に改変しました。一般公開されているあらすじも、「それってもっとこういうことだったのでは!?」と思うところがあって興味深い。長編なのに、何度も見返して真意を確かめたくなる作品。

社会の狭間で懸命に生きる主人公。騙し騙され、時には騙されたことにも気づかずに生きる物語は、まさにジェットコースター。

岩井俊二監督といえば、「リリィ・シュシュのすべて」で現代の地獄を描き出したかと思えば、「花とアリス」で女子高生の青春の1ページを切りとる二面性をお持ちで、本作においては、その二面性のちょうどピッタリ真ん中に位置します。

ストーリーは、見る人によって三者三様、誰が悪役になっても、どのような行為を悪ととってもおかしくありません。そのなかでいっぱい涙を流す主演・黒木華だけが本当にピュアで真っ直ぐで、泣きながら泣きながら、前を向いて歩く姿が美しく感動的。

大勢で、「これってこういうことだよね?」「あれってこの人が仕組んだんだよね?」と議論しながら見てほしい!

 

 

2、わたしはロランス / 168分

わたしはロランス

わたしはロランス

  • メディア: Prime Video

最高にハッピーエンド。

誰が何と言おうと、ハッピーエンドだ。

 

ー あらすじ ーーーーーー

30歳の誕生日に「女性になりたい」と告白する国語教師・ロランス。彼への愛を信じ、最大の理解者となることを決意する恋人・フレッド。

1組の男女の10年におよぶ愛の交錯を、23歳、新進気鋭のカナダ人監督グザヴィエ・ドランが描きだす。

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登場人物それぞれのエゴが、余るほど丁寧に描かれています。誰の立場にたっても正解ではなくて、でも身勝手に思える思考すべてに理解が届いて、ここまで人間の心理をまざまざと描き出すグザヴィエ・ドラン監督、最高。

彼氏・ロランスは自身の想いのままに生きようとして、彼女・フレッドは女性として忠実に生きて、そこに環境や恋愛や、母の愛、子の愛、性同一性障害という要素も加わって一見ややこしく見えるけれど、根本的なテーマとしては「個人が、生きるうえで何を優先させるか」を問うているように感じます。

一生懸命、ひとつところに向かえば得られないものはない。ただし、二兎追うものは一兎を得ず。

また、美しい画と音楽も見どころです。要所で挟みこまれる登場人物それぞれの心象風景描写は、まさに現代アート

 

 

3、怒り / 142分

怒り

怒り

  • 発売日: 2017/04/05
  • メディア: Prime Video
 

1時間20分見て、やっと話が見えてくる。

巧みな構成に打ちのめされろ!

 

ー あらすじ ーーーーーー

吉田修一原作小説を、錚々たる俳優陣が演じた群像ミステリードラマ。

犯人未逮捕の殺人事件から1年後、千葉・東京・沖縄と3つの場所に、それぞれ前歴不詳の男が現れる。一体、誰が、何を目的に、「怒り」を振りかざすのか。

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人は何に突き動かされるのだろう。

幸福を求めてもがく登場人物たちの在り方から、2時間半、目が離せません。他者の存在があってこそ確立する「自分」は、強く、脆く、時に持て余しながらも、それでも大切に抱いて生きる姿に、胸の奥底の方から涙があふれました。

「群像ミステリードラマ」ということで、3本柱で構成されるストーリーが複雑かつ秀麗。お見事です。過不足を感じず最後まで息を詰めて見ていられる理由のひとつは、カメラワークの美しさ。複雑なストーリーを堂々と描きだす画にご注目ください。

 

 

4、ニュー・シネマ・パラダイス / 124分


映画「ニュー・シネマ・パラダイス完全オリジナル版」日本版劇場予告

124分間の人生は、

一瞬一瞬、すべてが輝いていた。

 

ー あらすじ ーーーーーー

映画監督として成功をおさめたサルバトーレのもとに、老いた友人・アルフレードの死の知らせが届く。映画に魅せられたサルバトーレの、少年から中年に至るまでのヒューマンドラマ。

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124分という間に、田舎の少年が映画監督として大成するまでの一生を、緻密に、綺麗に、苦味まで感じさせながら描きます。

長編特集の最中に暴露することではありませんが、やはり映画は2時間を超えると、お尻が痛くなったりトイレに立ったり飲み物を継ぎ足したりと飽きがくるもの。でも、本作はあっという間です。自らのコンディションを気にする余地もないほど、惰性や蛇足を含まずに、必要な要素を過不足なくしっかりとまとめあげて、かつ感動させにやってくる最高の映画です。

成長、恋愛、人間ドラマ、人1人が一生にかけるストーリーは、案外2時間で収まってしまうものなのかと少し寂しさを覚えるくらい、綺麗な1作。

 

 

5、きっと、うまく行く / 171分


きっと、うまくいく【予告】

3時間、笑っていればよし!!!

 

ー あらすじ ーーーーーー

真の友情や幸せな生き方、競争社会への風刺を描いた、ザ・インド映画!!!入学したエリート大学で青春を謳歌していた主人公が、突然姿を消した謎と理由を10年という年月を交錯させながら解き明かしていくヒューマン・ストーリー。

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歌って踊って笑えば良し!というインド映画のイメージを、寸分違わず地で行ってくれたザ・インド映画。ミステリ要素もあって、エンターテイメントとして最高。

「笑う」という行為は免疫力アップに効果があるそう。免疫力を高めるなら、迷わずコレ!

 

 

 

以上、「2時間超えの大作」を基準に選定したオススメ5作品でした。外に出られないなら、おうち映画すればいいじゃない。

週末は映画を見ようと先週末から決めていたのですが、まさかの北海道外出自粛要請…みんなやることなくてレンタルビデオ店いってたら嫌だな…わたしのぶん残しといて…と思ったけれど、わたしが選ぶ映画は大衆受けが難しいので関係ないかと思い直し安心しました。今回ご紹介した作品も、4と5は手放しでオススメですが、1〜3はご注意ください。2時間越しのハズレは目も当てられないですね!

 

明日、仕事終わりでレンタルビデオ店へ行って、おうち映画パーティーします。

以下は今週の狙い目。

 


千年女優 特報

 


映画 『フェイシズ』 Faces 予告編 ジョン・カサヴェテス

 


映画『SCOOP!』特報映像