歳下バンドが増えた
いつでも、メディアで見かけるのは歳上の人でした。テレビで華々しくおしゃべりするあの人も、舞台で堂々と胸を張るその人も、ラジオの向こうの楽しそうな声も、みんな歳上。だから、期待と憧れをたっぷり含んで、ちょっぴりの羨望は、歳下のわたしには到底かなわないのだと、目を瞑っていられました。
わたしの暮らしは音楽とともにあります。朝起きて身支度を整えるとき、学校に通う道のり、ひとりきりの休憩時間、いつでも音楽がありました。沈んだ気分をもちあげてくれるあのバンドたちも、みんな歳上でした。
でも、20代を折り返してここ最近、様子がかわってきています。
パーティーを盛り上げるポップミュージック、夜のドライブで聞きたいシティポップ、仕事に向かう足取りを軽くするロックミュージックさえ、「お、これいいじゃん」と調べると、歳下バンドだったりします。
期待と憧れを2つも3つも歳下の子たちに抱く自分に気付き、見ないフリをしてきた羨望が、むくむくと顔を出しはじめます。
彼らはこんなに才能に溢れているのに。
彼らはこんなに認められているのに。
彼らはこんなに頑張っているのに。
でも、良いものは良いので、聞かざるをえません。憂鬱な朝も、仕事帰りの重たい足取りも、晴れた平日の鬱気な会社も、彼らの音楽が色を添えます。そうしているうちに、期待と憧れとふくれあがった羨望はエネルギーになるのです。
彼らはこんなに才能に溢れている。
彼らはこんなに認められている。
彼らはこんなに頑張っている。
だから、わたしも負けていられない。
だから、わたしも頑張ろう。
沈んだ気持ちを持ち上げてくれるのは、やっぱり音楽でした。
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