ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

不思議なメッセージ

「一緒に行こうよ」

母にメッセージ。地元で開催されるトークイベントで、母とわたしが興味を寄せるテーマでした。

「この人が来るなら、あい、行きたいよね。いいよ、行こうか」

あら?

予想していた反応と違って、虚をつかれた気分。

 

母は、不思議なメッセージを送ってきます。

句読点を使わず改行ですませるし、他人行儀な敬語が主。一文が長く、日記のような文章を送ってくることもあります。「?」は「⤴︎」で代用されるのも不思議ポイント。でもどこか可愛らしく、わたしはそれらを指摘することなく見守っています。だからでしょうか、わたしが高校生のときに一緒に始めた「メール」は、主要なメッセージツールが「ライン」に変わった今も、不思議な文章のまま送られてきます。

 

ですから、今回のメッセージに

「えっ⁉️この人も来るの〜⤴︎

楽しみね

いこういこう」

くらい返ってくると思いました。随分とお行儀の良いメッセージは、わたしの出鼻をくじきました。

 

どうして母のテンションは上がらないのでしょう。

本当は行きたくないのでしょうか。

イベントに行くまでの興味はないのでしょうか。

娘と2人で出かけることは、嬉しくないでしょうか。

 

「あいに誘ってもらわなきゃ

こんな機会ないしね」

続くメッセージ。

母は、自らが楽しむことを控えているようでした。子ども優先で、時に過保護なほどわたしたちのことを想う母。何年か前、ワイヤレスイヤホンがほしいと言うので、どうせなら良いものをと1万円くらいのそれを選んでプレゼントしたら、断固として拒否されました。

「こんなに高価なもの、せっかくもらって失くしてしまったら悲しいから」

物を失くすなんて、几帳面でしっかりしている母に限ってあるわけないのに。

 

子どもたちが自立して、母自身が自由に動ける今、母はもっとやりたいことをやりたいようにやって良いのだと思います。だからせめて今回は、わたしがやりたいことをやりたいようにやって、「こうやるんだよ」と振る舞って見せようと思います。

おかあさん、おでかけ楽しみだね。