ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

小さな暮らし

引っ越しました。

1Kの8畳洋室。日当たりサイアク。でも家賃が安いのでよしです。一緒に内見してくれた友だちも間取り図を見た母も「狭くない?」と言いましたが、収納がついているのでなんとかなる気がしました。実際、なんとかなりました。

 

わたしは昔から狭い部屋でも難なく暮らせるタイプです。物が少ないのでしょうか、広い部屋だと落ち着けないのでしょうか。昔、部屋を訪れた人からは「楽しんでいない人の部屋だ」と言われました。物が少なくて個性のない、殺風景な部屋。

 

たしかに、つい先日まで暮らしていたシェアハウスの同居人の部屋は、お洒落で雰囲気がありました。すっかりへたれた畳の上に床材を敷きつめて、毛足の長いラグを敷いて、押入れの戸は取り外して個性的な椅子を置いて机にしていました。さすがに、すっかり神様のいなくなった神棚に好きなアーティストのグッズを飾りだしたときは「それはちょっと」と止めたけれど、でも、これが「楽しんでいる人の部屋」なのでしょう。

 

わたしだってむかしは、インテリアコーディネーターになりたいと思ったくらいです。家具屋や雑貨屋はわくわくするし、引越しの予定もないのに間取り図を見るのも好き。でも、自分の部屋はなぜか狭くても殺風景でも生活感があふれても気になりません。妹と2人暮らしをしていたときには間取り図に「ウォークインクローゼット」と書かれたアコーディオンカーテンで仕切られているだけのスペースに、ベッドと衣装ケースを置いて生活していました。

 

1Kの8畳洋室。日当たりサイアク。朝起きたらすぐコタツのスイッチをつけられて、デスクに向かいながら眠気に負けたら振り向きざまにベッドに倒れこめて、料理をしながらテレビを見れる、小さな暮らし。楽しんでいないのでしょうか。わたしは、悪くない気がしています。