ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

まるい鼻の女の子

ハガキが届きました。
宛先は、わたし。
差出人も、わたし。
旅先から自宅へ、ハガキを送ることが好きです。旅をした地域のベストショットが印刷されたハガキに自分の名前を書いて、その時の気分でひと言ふた言コメントをつけて、日付を残してポストへ。帰ってきた二、三日後に、旅先の消印が押されて届いたハガキを、部屋に飾ったコルクボードに適当にはる。ここまでが、わたしの旅です。

 


でも、時々そうはいかないことがあります。旅先でベストショットハガキが見当たらなかったりすると、なかなかガッカリ。表も裏も自分の文字で、「旅」感は消印のみというのは寂しいものです。
今回も、危うくそうなるところでした。
そうならなかったのは、つれ合いがいたから。

 


大学からの付き合いで、絵が上手な彼女は、わたしがコンビニで買った真っ白なハガキをポンと手渡すと、「えー…」と言いながらも迷いなくペンを動かして、絵を描いてくれました。
朝陽がのぼる海辺で、シャボン玉をする女の子。目はぱちっと開かれて、髪は肩まで長くて、鼻はぽちっと丸くて。
「これ、あいちゃんだからね」
「わかったよ、鼻、まるいもん」
「そういうタッチだよ!」

 

 

今日、ハガキが届きました。
宛先は、わたし。
差出人も、わたし。
描かれているのも、わたし。
素敵な旅のハガキです。

 

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