ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

インスタグラマーの素質

おうち時間を強いられているせいか、SNSでなんとなくやりすごす時間が増えました。 スキマ時間に見るのは、もっぱらインスタグラム。化粧レビューとストレッチ動画と漫画エッセイのあいまに、お笑い芸人さんの個人アカウントがあります。テレビでは見ない若…

わたしたちは仲良しではない。

「『絶対来てほしいの!』と目をキラキラさせながら誘われる結婚式、どう断ります?」 小気味良く音をたてて落ちる髪の束を眺めながら、わたしが言いました。鏡越しにうつる美容師さんはちょっと考えるように「うーん」と言って、 「わたし、20代の結婚式で…

恋愛の入るスキが1ミリもなかった青春映画

今夜の金曜ロードショーは「スタンド・バイ・ミー」だそうです。大好きな映画です。 行方しれずになった少年が実は列車事故に遭っていて、その死体が今もなお転がっているらしい。 そんな噂話をもとに始まった、「死体探しの旅」。アメリカ、オレゴン州を舞…

春と、ちょっぴりの夏

おでかけがかなわない2021年。昨年からつづくウイルス禍は、生活をぐにゃりとねじ曲げました。とはいえ、わたしは都市から車で2時間ほどのところに暮らしていて、それほど不満はありません。くわえて映画を見るやら文章を書くやらの室内趣味があるので、外出…

アイメイク

「コロナのせいでマスクをしなければならなくて、昨年いまごろには化粧品の需要減退が叫ばれてたけど」 美容室のふかふかの椅子に深く腰掛けながら、口を開きました。大きな鏡に映るわたしの顔には、もちろんマスク。フェイスラインがあやふやで、美容室の大…

カクゴ

昨年の冬、ピアスをあけました。25年生きてきて、はじめての孔。それは、わたしがわたしを大切にして、絶対に幸せにしてやるのだというカクゴの孔でした。 その当時、どうもわたしはわたしを大切にできなくて、目の前の“楽”ばかり追っていました。よくよく考…

夏が

カエルの声。 ぎゃおぎゃおぎゃおぎゃおと、一匹や二匹では到底だしえない、おびただしい数のカエルが合唱しています。それはこの時期、この地域の風物詩といって過言ではないでしょう。田植えの季節です。 どこの田から聞こえてくるのかはわかりません。一…

5月のテーマソング

やる気が出ない。 ほおを撫でる風はやわらかく、花と草の青っぽいにおいが鼻をくすぐるというのに。動きづらい冬服から解放されて、ようやくどこへでも行けるというのに。新しい人、新しい場所に胸は小さく踊っているというのに。 気怠く、億劫で、動きがた…

もう1本

「初めまして」が苦手ではありません。仕事で一緒になった同年代の人でも居酒屋のカウンターで居合わせた人でも、にっこり挨拶をして、2、3質問をして、そうしていると相手も話の輪に加わってくれるので、あとは楽しくおはなしするだけ。コツがあるとするな…

なにもないこともない週末

雪がすっかり溶けました。晴れの日が増えて、気温が上がってきました。ふきのとうがでて、つくしが背を伸ばして、桜が咲いて、チューリップもふくらみました。ようやく、北海道の左上に春がきました。雪が降って風の強い冬は、めっきり外出が減ります。じっ…

美しい画が感情を訴えるとは限らない

映画を見ました。 好きで、頻繁に見るほうです。邦画も洋画も、ドラマもサスペンスもジャンルを問わず見ます。するとなかには、美しい映像と美しい音楽で、まるで完成されたアートのような一作があります。美しい旋律を奏でる挿入歌、絵画のように整ったカッ…

くつおと

ごうごう 春先の、まだ強い風。一本向こうは明るく大きな通りで、車のエンジン音がします。 「じゃあ、また」 「きょうはありがとう」 「またね」「またね」 口々にいう声はどれも上機嫌で、自分の番を待たずあちこちから響きます。 「おやすみ」 「おやすみ…

よかった

乱視。角膜や水晶体の歪みのせいで、光の焦点が複数できてしまう状態です。焦点が一つに定まらないので、像がぼやけたり二重に見えたり、距離感がつかみづらかったりします。わたしは乱視なので、体育の授業でボールとの距離がうまく測れなかったり、雪の朝…

わたしはわたしが

聞きたくない話を聞いてしまいました。 信頼していた方が、わたしの計画を、あまり良く思われていないという話。まあたしかに、勝算の薄い非現実的な計画だし、そういえば、相談したときも前向きに背中を押されたわけではありませんでした。でも、そうならそ…

ミッドナイトブルー

さて、どの色にしよう。 左手中指の爪が、ぱっくり割れてしまいました。やすりで縦長に整えているのだけれど、肉と爪が離れているちょうどそこから亀裂が入って、服やら髪やらに引っかかるので仕方がなく切り落としたら、中指だけ正方形になってしまいました…

そんなもの

気乗りのしない飲み会に行きます。 誘われたので「行きます」と2つ返事すると、後日、ちょっぴり苦手な人も来ることがわかりました。かなり年上の同性で、発言力があって、古風な考え方をする人でした。おそらく、わたしのする事や考える事の少なくとも3割は…