ふたりはともだち
5、6年ぶりの友だちと会いました。
中学の部活動で出会った彼女。小柄で、いつもどこか其方を見ていて、話し方に独特のリズムがあって、ぽやーっとしているのに、たまにビシッと「ご尤も」なことを言ったりして。
その彼女に、中学生のある日突然、言われたのでした。
あいっちょは、うちのカエル君だから。
うちは、ガマ君。
???
彼女だけが覗くことのできる世界があるなと思っていたけれど、やっぱりよくわかりませんでした。意味を問うと、ふふんと笑ってはぐらかされて。でも、それでこそ彼女なんて気さえして、深くは追いませんでした。
それから9年余りたった昨年。
1人でフラリ、絵本を集めた図書館へ行きました。絵本の表紙を眺めていると「ガマ君とカエル君はいつも一緒」というポップが目に入りました。表紙から、すぐに彼女の顔が浮かびました。
一緒にいれば悲しいことは半分に、楽しいことは二倍に、という友だちのおはなし。お互いそれぞれ日常があって、ガマ君がちょっぴり突飛で、どうにも似たもの同士というわけではないけれど、でもやっぱりいつも頭の隅には相手がいて、お互いを思いやる関係が、コミカルに心地よく描かれていました。
雪が静かにつもる冬の図書館、子どもたちの疎らになった夕方に、彼女の屈託ない笑顔が思いだされて、1人ちょっぴり泣きました。
そんな彼女の、結婚祝いに。
…東京までの帰り道、3、4冊の絵本セットは随分重たいプレゼントでしょうが…そこはまあ、ごめん。
彼女との思い出に浸るあまり旦那さんに申し訳なくて「結婚祝いにと思ったのだけれど…」と言うと「すごい、好きなもの、しっかり知っていてくれて」と顔を綻ばせる旦那さんに、ああ、彼女は幸せなんだと、胸がじんわりあたたまりました。
わたしのガマ君、
結婚おめでとう
- 作者: アーノルド・ローベル,三木卓
- 出版社/メーカー: 文化出版局
- 発売日: 1972/11/10
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