ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

おしまい

会社のデスクまわりを片付けました。

年度の汚れは年度のうちに。山を作った書類を崩して、ラックに立てたファイルを引っ張りだして、いやに重たい引出しをひっくり返して。シュレッダーをひたすらに唸らせれば、2019年度もおしまい。ああ、おしまい。

 

2019年度社会人3年目、初めて仕事をごりごり任されて、やり遂げたりやり遂げられなかったりして、その鱗片がデスクのあちこちに銀色のクリップでまとめられていました。紙はすべて、シュレッダーの餌食。クリップはすべて、新たな紙のために。

少人数の事務所なので、会議らしい会議は少ないのですが、今日は、顔をつきあわせて2020年度の業務を確認しました。担当を割りふりました。わたしの担当もありました。だからデスクに、それらを納める場所を作りました。今日シュレッダーの難を逃れた書類は明日からの覚悟。わたしは、この2019年度の残党とともに2020年度をやり遂げるのです。

 

就職して丸3年。地元企業なので転勤はないけれど、周囲の入れ替わりがあります。この時期の「ありがとう」「またね」は、1年の他のどの時期の「ありがとう」「またね」より色濃くて嫌。先週末は彼の、先々週末は彼女のお別れ会をしました。社会人となると、人の別れも年度末。でも、デスクまわりのようにまとめてシュレッダーとはいかないところが厄介です。人と人、出会いばかりならいいのに、決まって別れが年度末にやってきて、それを乗り越えると何食わぬ顔で出会いが訪れます。この感覚が歳をとるごとに強くなっているのは、社会に馴染んできた証でしょうか。

 

最近、春の靴を履いています。

足首までをカバーするショートブーツから、甲まで開いたローヒールパンプスへ。

歩き心地にまだ慣れなくて、彼や彼女と別れたあと、したたかに酔っぱらった帰り道で転びました。

 

ああ、2019年度、おしまい。