ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

ホームラン

誰だってきっと輝いてる 

スポットライトだらけになってる

それは今でも変わらないのに

 

バンドが歌っていました。

過去には武道館ライブを成功させましたが解散、のちにバンド名を変えて再結成したバンド。彼らの名声は、解散する前のバンド名でしか通っていません。それを思ってでしょうか、作詞したボーカルは「過去の栄光を思い返す歌」と語っています。

彼女の言葉を思い出しました。

 

「1番楽しかったのは、中学生のとき。あのときの情熱を取り戻したい」

今年、専門学校を卒業した彼女は都市部から田舎の実家に戻りました。都市にいようと田舎にいようとやりたいことはできるだろうと目論みながら、今、そのやりたいことに情熱が向かないと言います。

その悩みこそ美しいと思いました。

 

空を見上げて考えてる

どこまでもずっと考えている

ほんと好きだよね

 

情熱があるから悩むのだと思います。

過去の栄光を知っているから、今を、何もないと悲観するのだと思います。

 

わたしは「あの頃はよかった」と思い出す過去がありません。過去も今も一貫して夢中になって取り組める栄光がないから。だからわたしは、バンドの彼らや田舎で思い悩む彼女を、羨ましく思います。

 

スポットライトは今も変わらず照らしていて、それに気づいていないだけ。あとは、ホームランを打って走り出すだけ。いえ、ホームランを打たずとも良いかもしれません。そうと認められる、自分自身でスポットライトを感じられるそのときが訪れるだけで良いのです。

 

誰だってきっと輝いて

くそスポットライトだらけになって

ほんと完全だよな

 


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