ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

美味しくないな

 「そんなことしてたらいつか友だち失くすよ。私含めて」

就職で離れてしまった大学時代の友だち。半年分の近況報告を、面白可笑しくしていたら呆れ顔で一言。キャラメルマキアート、吹きこぼすとこだったじゃん。

 

「あいちゃんの好きなキノコ、たくさんいれたから」

久しぶりのおばあちゃん家。そう言われると頂かないわけには…たとえ、つい30分前にハンバーグセットをデザート付きでたいらげていたとしても。わたしが好きなのは、おばあちゃんが作る煮物のシイタケで、和風パスタのシメジやエノキではないにしても。パスタをメインに、漬物と酢の物、デザートにあんみつがでてきたときには笑ってしまいました。

 

「ラーメンいっちゃう?」

地元の友人らと新年会。さんざん飲んで、2件のカラオケ屋を経て、いいかげん車内も静かになったころ。言い出しっぺ、きょうハンドルキーパーじゃん…お酒飲んでないのになんの〆だよ…行ったけど。

 

「醤油どこ?」

おとうさんと2人きりのごはん。わたしの好物を作って出掛けたおかあさんは、年末年始も仕事でした。鍋いっぱいの煮物に消えたお醤油。おとうさんと2人、1つのお皿をつつきましたが、結局おかわりに立ちました。

 

年末年始、多くの人と食事をともにしました。

一人暮らしをしていると、アルコールなし純粋に食事をする機会といえば朝食か、会社のデスクで食べる昼食か。誰かと向きあって、会話をしながら、時には笑い声をあげて、ごはんを食べる、ということがすごく久しぶりな気がしました。

 

「美味しくないな」

年始にこちらへ帰ってきて、はじめての食事。

朝、すっかり冷えた部屋で、お米をまとめ炊きして、実家からもらってきた煮物を食べました。おとうさんと2人で、おかわりまでしたあの煮物は、おかわりに立つ必要がないくらいに盛られていたのに、結局少し残してしまいました。

 

というわけで、2020正月ネタ以上です。