ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

ただ楽しいはなしを

はなしをしました。

全国的なウイルス警戒宣言の解除を受けて、どこへも行かずに人間関係や好きなものを温めていた3ヶ月が嘘のようです。交友が広がって、新しいことが始まって、生活が一気に加速し忙しく動いています。

 

そのうちの1つが、同世代の仲間とのイベント企画です。

はじまりは、警戒解除の日の夜に座った、居酒屋のカウンターでした。久しぶりの外飲みで、久しぶりの友だちとあれやこれやと話をしました。すると誰が口火を切ったのか、季節の楽しみが軒並み中止になったこの北海道の左上で、わたしたちで運営する小さなイベントを開催しようと盛り上がったのです。その日のお酒は特別に心地よくて、あの人この人と呼び出すうちに実行委員会が結成されました。楽しい、面白そう、という原動力から生まれた企画は、週に1度ほどの会議を経ながら、着実に進んでいます。

 

先日もひとつ超えなければならない山があって「これは早めに集まって話し合った方がいいね」と打合せ。とっぷりと陽が暮れた平日、みんな仕事着のままやってきます。個人商店の息子さんが、店のスペースを貸してくれての打合せ。思い思いの飲み物食べ物を持ち寄って、ダラリと話をしているうちに核心に近づいて、みんなの姿勢も表情も、少しだけ強張ります。気づけば、2時間が経過していました。

「よし、じゃあ会議おしまい!楽しいはなししよ!」

と自分の口をついて出たとき。なんだか「楽しい」というワードがざらりと舌を撫ぜて、いつまでたっても残りました。わたしたちのスタートは、あのカウンター、楽しい楽しい夜だったはずなのに。

 

物事の準備は、「楽しい」「面白そう」では転がらないもの。必ず、壁にぶつかります。でも、そんな障壁を乗り越えたときこそ、わたしたちが純度100パーセントの夢を膨らませて話し合った「楽しい」「面白そう」のスタートラインをも超える感動が待っているのだと信じています。

頑張れ、わたしたち。