ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

いま何してる?

「これから、そっち行っていい?」

帯広に住む彼女は、出張で旭川に一泊した朝、そう電話してきました。帯広留萌間は5時間だけれど、旭川留萌間は1時間半。彼女と、ふだんよりずっと近いところにいます。

 

旅行が好きです。

知らないところへ行き、初めてのものを見て、かけがえのない経験をする。そのためには最低限の計画が必要で、わたしは、計画段階を含めて旅行というものが気に入っています。

大学生のころ、4年間を共に過ごした仲間と卒業旅行をしました。忙しく、集まって計画を練ることができなかったので、わたしが「どこへ行く」「なにを見る」を各人にヒアリングした後、行程やら交通手段やら宿やら食事やらを決めて、一冊のしおりにして、みんなの自宅へ郵送しました。効率良く希望を満たすために、計画を立てることが好きなのです。

 

けれど、計画しない予定もまた、面白いものです。

「いま何してる?」から始まるのはまさにそれ。

ふいにできた時間を、偶然に居合わせた仲間と過ごす。計画した予定にはないリアルとドラマには、予想外の面白さがあります。そしてなにより、ふいにできた時間のなかで「わたしに連絡する」という選択肢が相手のなかにうまれたことが、なによりも嬉しいのです。

「待ってるよ、気をつけてきてね」

ふいにできた彼女との時間。

大学時代を共に過ごした、かけがえのない友人です。

半年ぶりの再会、ぬけるような青空、きらめく海。

最高の時間。

 

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