ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

秋の朝

久しぶりの朝シフト。

5時にセットした目覚まし時計の、2度目のスヌーズで目が覚めました。昨夜、おかあさんとの電話に夢中になって夜更かししたにしては上出来です。身体を起こすために、3層に重ねた布団を蹴飛ばしました。

冬用毛布、夏用ブランケット、秋春用薄手布団を重ねて使っています。日によっては布団がいらなかったり、ブランケットだけで良かったりして、寒暖差の激しい北海道の晩夏にぴったり。でも、この頃は3層をきっちり重ねておかないと、朝方に震えて目を覚ますのでした。

5時の室内に入る陽はまだ薄くて、台所の白電灯をつけました。居間の電気は明るすぎて、寝起きの目には辛いのです。ポットに水を注いで、火にかけます。

ずいぶん静か。日の出まえ、きょうはお天気が悪いのか青白い朝の気配はなくて、鳥の声も人が動く音も聞こえません。ポットが火にあたって、かつん、かつんと温まる音がしています。やがてしゅんしゅんと注ぎ口から白い湯気があがって、その色を見るのも久しぶりのようでした。早く引き上げろとばかりにカンカン言いだしたころ、鍋つかみで取りあげてカップへ。待ってましたと、じゅわじゅわごぽごぽ、溢れだします。

朝のストレッチをしながら1杯の白湯。つい数週間前までは、開始10分で汗だくになっていたストレッチも、半分終えたところでやっと汗が噴きだして物足りなさを覚えます。けれど、筋肉は限界を訴えるようにちゃんと痙攣していて、このあたりで許してやることとします。

お風呂へ。一人暮らしの部屋は狭く、脱衣所はないので廊下で服を脱ぎおとします。蛇口をひねるとやわらかいお湯がでて、髪から顔にかけて流れるぬくみにほっとため息。頭から足の先まですっかり泡を流して、タオル片手に廊下へ出ると、

「さむっ」

ようやく気付きました。

北海道の左上に、秋が来ました。