ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

25歳のわたし、冬のはじまり

冬靴は、ワンシーズンごとに履き替えます。

北海道の冬を歩きまわった靴は、水がしみこみ、底がはがれ、次の季節を迎えることができません。雪が降る前に靴屋さんに行き、その年の冬をともに乗り越える1足を探します。

それでも、冬靴選びに迷うことはありませんでした。わたしが好きな黒色のレースアップショートブーツはクラシカルなデザインなので、毎年流行に合わせて商品を入れ替える靴屋さんで、変わることなく並んでいます。あとは実際に履いてみて、ヒールの高さを気にするくらい。思えば高校生のころから気に入っていたデザインは、かれこれ10年以上、冬のお供でした。

 

雪。今年も冬がやってきます。

わたしの足には、スエード素材に控えめなベルト。ポインテッドトゥに、ヒールが小さく鳴ります。

今年のわたしは、「いつもの」冬靴を選びませんでした。

25歳の今年、夏の衣替えで短いスカートを処分しました。出かけるときにポニーテールをすることは少なくなり、ごてごてと飾り立てられた服よりシンプルなものを選ぶようになり、新しく購入するスカートの丈は長くなりました。

冬、「いつもの」ではなく、これまで選んだことのないデザインの靴を買いました。

何気なく過ごしてきたと思った25歳、やっぱり何か、変わっているのかもしれません。