ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

真夜中には、真夜中の映画を見るのだ

日曜日。

気がついたら陽が暮れていたので、したいことをすることにしました。しなければならないことは、また来週のお休みに。きょうは、映画を見ます。

 

金曜日、会社帰りにTSUTAYAさんで借りてきたDVD。映画でもサブスクリプションサービスが流行しているなか、わたしは未だ、近所のレンタルショップへ通っています。ざっとパッケージの背を流し見て、気になったものを引っ張りだして、表紙と裏表紙を2、3回ひっくりかえして、ディスクを引き抜いてレジへ。

インターネットサービスによって提供される、好みに合ったオススメも、気が向いた作品がすぐに見つかる便利さもない、田舎のレンタルショップだけれど、棚の間をゆっくり歩いて、先週とは異なる並びに立ちどまって、しゃがみこんでパッケージを眺めて、それで持ち帰る1作は、どれほど好みに合わずとも最後まで見ずにはいられないのでした。

 

その日は、DVDが4本。さて、どれから見よう。

午後6時、それぞれ2時間ほどの作品で、休憩をはさんだとしてすべて見終わるのは深夜。重たいテーマの作品は体力のあるはじめのうちに、片手間で見るなら字幕のつく洋画より邦画、評価が高く面白さが約束されているものは余韻を残すために後で、と考えるとおのずと順番が決まってきます。

そして、「真夜中」の映画は1番最後。真夜中に見るのです。

 

タイトルに、朝、昼、夜といった時間を示すワードが入っている場合には、その時間に合わせて見ます。早朝、ひっそりとした空気のなかで迎える「朝」の映画、鳥のさえずり、やわらかい陽の光を受けながら見る「昼」の映画、そして、深い夜の淵に飲み込まれまいとしがみつく「真夜中」の映画。その時間に見なければ価値が半減してしまうような、シチュエーションも含めて心に刻まれる映画体験があります。

朝には「朝」の映画を、昼には「昼」の映画を、真夜中には「真夜中」の映画を見るのです。

 

真夜中の弥次さん喜多さん

真夜中の弥次さん喜多さん

  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: Prime Video