ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

冬至

冬の休日は短い。

夏なら、はやくから陽がのぼって鳥が鳴いて、それらに目を覚まして1日がはじまるけれど、冬はまず朝が来ません。午前7時ころ、ようやく薄青くなりはじめる窓。雪のおかげで視界は白いけれど、音をすっかり吸収してしまうので、清々しい朝の訪れを感じるのはもっとずっと後。気をつけないと寝坊してしまいます。

寒い寒いと布団にくるまっているうちに太陽が顔をだして、きょうは天気がいいのかなと覗くころには急いていってしまいます。ふと気づくと午後3時。太陽は、陰りだしています。

明るいうちに洗濯物を片付けて部屋を掃除して映画でも見ようかと計画していたのに、わたしが動くよりもはやく、太陽は海の向こうに沈もうとしています。海の際で待ち受けているのは厚い雲。それがまた、日の入りを早まらせるのでした。

どんよりと暗い空には、夕暮れもありません。赤にも群青にもならない空が、ただ暗く沈んでいって、また夜を連れてくるのです。

夕闇に急き立てられて、そろそろとやってくる年末の気配に、部屋の隅に積みあげた書類や、いつからそこにあるのか分からないアレコレをきちんとあるべき場所へ収めるのでした。

 

今年も、1年で最も陽が短い「冬至」がやってきます。明後日から、少しずつ陽がのびていきます。北海道の左上では、4月の頭あたりまで雪や寒さを引きずるので、冬至を冬の節目というにはまだまだ先が長いでしょう。けれど、陽の長さの折り返し、これからどんどん明るくなるのだと思うと、少し嬉しくなるのでした。