ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

あけましておめでとうございます

実家にいます。1年のうち、お盆とお正月に加えて、2、3度ほどしか帰らない実家。自室はすっかり物置になって、家族の生活リズムはさっぱりわからず、知らないうちにペットという家族が増えた実家。わたしも、8年前まではここで365日を過ごしていたというのに、なんだか不思議なかんじです。

 

実家は、いつでも暖房がきいて暖かく、いつでも何かしらの食べ物があって、いつでも誰かしらがいます。

わたしは、お正月という年中行事が相まって、陽がすっかり昇ったころに起きだし、明るいうちからお酒を飲み、何をもなさずにベッドにもぐります。それでも、誰も何も言いません。

 

それは、1LDKの部屋で過ごす1人の休日も同じです。わたしが何をして、何をなさずとも、誰も何も言いません。言う人はいません。だからこそ、「誰か」がいるというだけで、こんなにも違います。

 

わたしが

陽がすっかり昇ったころに起きだすと

「みんなすっかり起きてるよ」

と笑い、

わたしが明るいうちからお酒を飲みだすと

「俺が若いころもそうだった」

と一緒になってプルタブを引き、

わたしが何もなさずにベッドにもぐると

「おやすみ、良い夢を」

と言う声があります。

 

そういう人がいる実家は、わたしの暮らしをこんなにも変えてしまいます。

 

わたしが今も実家に暮らしていたら、今このわたしは存在していないでしょう。だからこそ、この「実家」という場所は、わたしにとってこんなにも尊く、こんなにも毒なのです。

 

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