これだ
ポコン
「これだ」
ラインが入りました。3文字のメッセージとともに、新聞のリンク。ひらいてみると、オリジナルグッズの売上を元手に発行される、地域情報フリーペーパーの話題。道東の記事でした。
「ほう」
「フリーペーパー、やりたいですね。」
「問題は資金面…オリジナルグッズづくりは…」
返信をしたところで気づきました。そもそも彼は、送ってきた新聞記事のどの部分を指して「これだ」と言っているのでしょう。勝手な解釈で返信したけれど、果たして、彼の意図をしっかり受け取められているのでしょうか。
「ごめんなさい、先走って返信しちゃったけど、そもそもこの記事のどこに「これだ」って言ってます?笑」
3分遅れで、付け足しのメッセージ。
するとしばらくして
ポコン
「「これだ」に深い意味はないけど、広告なしのフリーペーパーやりたいなって」
わたしたちは、いつもこう。
深い意味はない。
やりたいっていう気持ちがあればいい。
誰も予想しなかった2020年、わたしたちは、北海道の左上でイベントを企画しました。誰もやったことのない、わたしたちにしかできないイベント。2020年1月1日のわたしは、このイベントを予想していませんでした。
ひたすらにがむしゃらに、コロコロと坂道を転がるように動きました。やりたいという気持ちひとつのわたしたちは、夢中で転がって、時には石ころに阻まれ、時には窪みに落ちながら、それでもなお「楽しい」という気持ちを原動力に転がりつづけてきたのです。いまもまだ、止まりません。
年の瀬。
仕事納めだの大掃除だの、1年を片付けようとする流れをぶった切って届いた、一言のメッセージ。わたしたちの「やりたい」は、「楽しい」をともなって、すでに2021年を動いています。