ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

釣り竿自転車カメラ、春

春がぐんと近づきました。

わたしはカーテンを開けて寝ます。学生時代、はじめての1人暮らしで遮光カーテンを買ったけれど、陽の光を感じないといつまでも寝てしまい目覚めもすっきりしないことに気づきました。以来、寝るときはカーテンをくくっています。

すると、日の出時刻によって起床時間が変わります。冬のあいだはずっと暗くぱきっと寒くなかなか出られなかった布団も、気温が緩み日の出時刻が早まったこの頃は起きるのが楽になりました。むしろ北海道の冬なんてずっと曇天、9時や10時にようやく明るくなるものですから、最近の日の出の早さと快晴にはドキッとします。すわ寝過ごしたかと飛び起きると、目覚まし時計より早起きで、でも目は自然さえていてなんだか妙な気分。

 

身支度をして、朝食を食べて、仕事へ。就業時刻ぎりぎりなのは、早く起きようがかわらなくてがっかり。車に乗りこんで大きな道路に出ると、視界の端に長細い棒状のものが揺れるのが映りました。なんだろうと見ると、おじいちゃんが家の前で釣り竿の手入れをしています。竿をめいっぱいにのばして、何やら夢中。そういえば、1週間ほど前からニシンが釣れているとか。

 

橋を渡ったところで信号。ここの信号は長いから嫌です。向こうから少年たちが自転車に乗ってやってきました。4、5人の集団が2つ、うち1人は小脇にサッカーボールを抱えています。そうか、春休み。朝から元気。

 

青になった信号にアクセルを踏むと、向こうの歩道で、カメラを構える女の子たちが見えました。服装から、地元の子じゃなさそう。観光に来た大学生かな。寂れた通りも、この青空と春風、そして彼女たちが微笑めば、絶好の写真スポットになるのでしょう。車の中にいても、その笑い声が聞こえてくるようでした。

 

春です。