ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

そういうこと

実家の1人部屋は、南向きでした。南と東に窓がついていて、日の出以降1日の大半で太陽が差し込みます。休日、昼過ぎまで寝ていようと心に決めても、10時頃には眩しさと暑さで布団から這い出すのでした。

ですから、わたしの部屋は母の世話する花や木の人気スポットです。出窓に次々と並べられる鉢植え。二度寝も満足にできず、ベッドの上でだらだらと寝返りをうつわたしの視界で、青々と枝葉を広げる植物がだんだんと憎々しく思え、「植物禁止令」を出したほどでした。

だからでしょうか。わたしは、朝日を浴びなければ起きることができません。早寝や目覚ましでなんとかなる問題ではなく、本当に、朝日を浴びることでしか目を開けることができないのです。ホテルで眠るときはきっちり閉めていたカーテンを開けるし、ひとり暮らしで購入した遮光カーテンは3ヶ月もつかわずにはずしてしまいました。

 

最近、朝早くに目が覚めます。起きたくもないのに、あまつさえ昨夜は遅くに寝たと言うのに、ばっちり目が覚めるのです。つい先日、その原因が解明しました。日の出でした。

現在、北海道の左上の日の出は午前3時55分。すっきり青空の日が増えて、太陽がさんさんと差込みます。そうしてあまりに強引に瞼をこじ開けるのです。目覚まし時計のセットは午前6時30分。まったく、迷惑なはなし。

原因解明の経緯は、窓を開けて寝るようになったこの頃のこと。風がずいぶんと強かった日に、レースカーテンがばたばたと風に踊る音で起こされたのでした。わたしは毎朝、自然に起こされています。

 

忌々しく思うなら、遮光カーテンを引けば良いとお思いでしょう。

窓を閉めて、快適な寝室を作りなさいと仰るでしょう。

けれどわたしは、カーテンを開け放して淡い夜の明かりを感じながら、レースカーテンが風に踊る様を眺め眠る夜、朝日と風に起こされる朝が、どうにも嫌いにはなれないのです。