ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

よくわからない飲み会

よくわからない飲み会があるでしょう。

なんでこのメンバーで集まっているんだろう、とか、何を話してもイマイチはまらない、みたいな、ただ目の前のお酒を流し込むしかない飲み会。毒にも薬にもならない飲み会。わたしはお酒が好きなので、よくわからない飲み会にたびたび遭遇しています。

 

行くまでは良いのです。どんな人がいるだろう、どんな話になるだろう、もしかしたら今後につながる出会いがあるかもしれない。そういった期待が胸の内で軽やかに跳ねます。よくわからない飲み会は、席について乾杯して笑って飲んで、それじゃあそろそろと別れ1人きりになる帰り道まで、わからないものなのです。

「よくわからない飲み会をやってしまったなあ」

住宅街に、ため息ひとつ。話題がかわるたびに流し込んだお酒のせいで、そこそこに酔っています。時刻もまあまあ回っていて、家に帰って化粧を落として布団を被って眠ればいいのでしょうが、今日という夜が惜しい気がして少し遠回りの道を選びました。煌々と明かりをもらすコンビニが現れて、缶ビールを1本だけ買って帰宅。けれどやっぱり、アルコールに侵食された身体は缶のタブを引く前にベッドに沈んだのでした。翌日は、なんだかすっきりしない気分。ひさしぶりの二日酔いをなだめながら昨夜の酒量を思い出そうとするけれど、どうでもよい話題を流し込むように摂取したアルコールの量なんて、覚えていません。

よくわからない飲み会は、できることなら避けたいものです。

 

でも、このコロナ禍で飲み会の機会がめっきり減りました。飲み会自体まれですから、よくわからない飲み会が開催される余地はありません。そうなるとまあ少し、ほんの少しだけ、よくわからない飲み会をやりたい気がしないでもありません。