ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

わたしの暮らしは

一人暮らしを始めたのは、今から9年前。大学進学とともに初めての一人暮らしで、母からは大変心配されました。なにせわたしは、実家に暮らしていたころ料理も洗濯も母に任せきりだったのです。母が仕事に行ってしまった土日の昼ごはんなんかは、残り物を冷蔵庫から引っ張り出したり、お菓子で済ませたり、あげく休みでいた父を頼ったりしました。

 

けれど、根が完璧主義のわたし。いざ一人暮らしを始めると、暮らしを整えるべく一生懸命でした。掃除や洗濯は決めた曜日に、料理だってレシピサイトを見ながらひととおり作りました。ひととおり作って、気づきました。

 

料理は、ずいぶんとハイコストでした。金銭的コストはもちろん、労働的コストがかかりすぎます。食材を買って、レシピを検索して、調理して、食べて、後片付けして。買ってきた食材だって、賞味期限内に使い切るよう管理しなければなりません。それだけのコストを、わたし1人の人間のためにかけるには、あまりに惜しいと思いました。

わたしの暮らしは有限なのです。

 

そんな気づきから9年。

つい先日、料理をせねばならない状況にありました。料理をしました。食材を買って、レシピを検索して、調理して、食べて、後片付けして、賞味期限を管理して。やらねばならないから、やっていました。

そして最近、やらねばならない状況を脱しました。料理をしてもしなくても良くなりました。まあ、1度料理をすれば数日分の作り置きおかずになるし、翌日以降のお弁当になります。料理をしてもよいのです。でもやっぱり、しなくなりました。

わたしの暮らしは有限なのです。

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