ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

星5つのランチタイム

外食時、お店を選ぶ基準はなんですか?
料理の美味しさ、内装のおしゃれ感、店員さんの接客…しかし、口コミサイトの星マークでは測れない外食もあると思うのです。

 

午後3時、ランチタイムを逃しました。出先での外食は念入りにお店サーチをする私ですが、この日は軒並み「準備中」。ふらふらして見つけたのが、住宅街で赤い暖簾をはためかせるラーメン屋さんでした。普段なら入らない、いや、入れない、アットホームを極めた雰囲気。恐る恐る、引き戸をあけました。

 

「…いらっしゃいませ!」
一瞬の間。ちょっとびっくりした顔のあと、8人も座ればぎゅうぎゅうのカウンターで、女将さんがにっこり笑います。そして3人の、気持ちよさそうに顔を赤らめるお客さん…というより、お友だち。

 

失敗した!!!
ランチタイムからお友だちタイムに突入して、暖簾を下げ忘れたところにやってきたKY客(=わたし)だ!!!

 

しかし、注目を集めて帰るわけにもいかず、覚悟を決めて足を踏み入れました。

 

「なにつくりましょ?」と女将さん。
調理担当の息子さんが腕を振るう音。
ウワサ話、健康の話、昔話…女将さんもまざって、だれが話しているのかもわからない弾丸トーク
お友だちが帰ると「騒がしくてごめんなさいね」「お勤めはどちら?」と少しおしゃべり。
「お天気が悪いから、お気をつけて」と見送られて外に出ました。

 

ラーメンは、特別に美味しいというわけではありませんでした。お店の内装は、お洒落のおの字も忘れていました。印象的だったのは、女将さんの綺麗にお化粧した笑顔と、お友だちのおしゃべり。ごちゃごちゃしながら、それらすべてを包み込むような優しい空気感でした。まるで、おばあちゃんの家に来て、当のおばあちゃんがお友だちと楽しくおしゃべりするのを、ちょっと離れて眺めていた気分。

 

今日のランチは星5つ。
満足して、帰路を急いだのでありました。