ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

わたしが映画を見る理由

昨日、映画が好きな人たちと映画を見ました。集まって、どれを見るかで少しヒートアップして、静かに見て、なんだかんだ言って、夜道をゆっくり帰りました。
大学時代とやっていることが変わらなくて、帰り道、一人でちょっと笑いました。

 


大学4年生のころ、気の合う友だちと予定をあわせて、駅前の1番大きなレンタル屋で30分くらいどれを見るかでモメて、(みんな優しいから結局わたしが自我を通して)食べ物とお酒を買い込んで、昼過ぎから終電まで。ワンルームの部屋で自分なりのベストポジションを探しながら見る映画はお尻が痛くなるし、誰かが面白いと言った作品はとんだ的外れで眠たくなるし、知らず進んでいた安酒で帰りの終電は具合が悪いし。
でも、最高の思い出です。

 


思い返せば、あの頃はそれほど映画に興味がありませんでした。ただ、当時のカレシがB級ホラー映画を見るのが好きで、わたしも一緒に見せられて、でもすぐに別れて、なんだか持て余した時間を気の合う友だちとつぶす口実に、映画を使っていたように思います。

 


就職を経て、住む地域を移した今となっては、一緒にホラーを見る元カレも、映画の趣味があう友だちも、つぶしてあまるような暇もなくて、でも、ふと湧きおこる映画を見たいという欲求が残っています。

 


昨日は最高でした。
映画を好きな人が集まって、どれを見るかでプレゼン大会をして、大きなスクリーンにしっかり響く音響、広い会場で思い思いに場所取りして、ゆったりとグラスを傾ける夜。帰る頃には、空に星、眼下に町の明かりがずいぶん綺麗でした。

 


わたしは今も、映画を見ます。
この、変わってしまったものの中からすくいあげる変わらないものこそ、「好き」なのだと思います。

 

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