ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

初日の出

山の街は、日暮れが早い。

山は各々高さが違うので、そこへ沈む陽は日没時刻を守ってくれません。それは昇る陽にも言えることで、山から出る陽は空を少しずつ白ませながら、ゆっくりゆっくりやってきます。

では、海から昇る陽は?

山やビルのような遮るものがない海は、日没日の出の時刻がすっかり守られます。

海の街は、日の出が早い。

 

年々「年が明ける」という感覚が鈍くなっています。

1年に1度といえど、25回も経験すればせいぜい「まとまった休みを実家で過ごすことのできる期間」という程度の認識。初詣も初日の出も、何年か前は家族や友だちを誘って足取り軽く行ったけれど、今では誘われれば行く感じ。

 

でも、今年はちょっとフットワーク軽く。中学時代の仲間でプチ同窓会を企画しました。なんだかんだと盛り上がって、二次会三次会…久しぶりに、飲み会明けの朝陽を拝みました。

アルコールを含み、笑って、笑って、テンションが上がりきった末に朝6時半の山岡家でラーメンまで…年明け早々何をやっているんだろうねと、また笑って。

 

田舎なので徒歩で帰宅できず、乗り合わせて帰りました。12時間きっちり遊んだ25歳たちはさすがに静かで、わたしもぼんやり窓の外を眺めていました。

すぐそこに、太平洋。海の際がすらっと紫がかっていて、あっと思ったときには真っ白な太陽が。波ひとつない群青の海をキラキラとぬりかえて、紫にかわって朱に染まった空が雲を浮かび上がらせました。日の出だ日の出だと、また笑って。

 

初日の出。

2020年、まずまずのスタートです。