映画、いつ作ります?
「映画、いつ作ります?」
高校生に言われました。
わたしは、声が上ずるのを取り繕ってワイパーを右左。ふわふわと舞う雪は車のフロントガラスに落ちつくと、すぅと溶けました。
映画が好きです。
近所のレンタルビデオ店に、バイトさんのシフトが見出せるレベルで通っています。数を重ねるうちに自分でも作ってみたい欲がでて、最近は行く先々で「映画を作りたい」話をしていました。話をして「面白そうだね」「やってみたらいいよ」と共感や応援を得たものの、「じゃあ一緒に作りましょう」となることはなかったので、その言葉が自分より8つも下の女子高生からでたことに面食らってしまいました。
仕事で、高校生を対象にワークショップをしたとき。
リスクや負担を顧みず、「楽しそう」という理由ひとつで「やります」と即答する姿が眩しく感じられました。わたしも「楽しそう」のモチベーションで動くタイプのはずなのに、なんとも、手を伸ばして到底届かない存在に思えました。
いつから、リスクや負担を第一に考えて動くようになったのだろう。
「楽しそう」という理由に不足を感じるようになったのだろう。
随分とセーブして生きてしまっている。
動かなければ、リスクや負担に心をすり減らすことなく楽です。いつもどおりの日常を、いつもどおりにこなすだけ。でも、心が動くことはありません。「楽しそう」と胸が高鳴って、ドキドキワクワク、心揺さぶられることはありません。
「いつもどおり」に満足していたのに、なんだかやっぱり、ソワソワしてきてしまいました。
ということで、
映画、きょうから作ります。