ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

こつっとした美女

2週に1度くらいの頻度で遊びにきてサクッと水だけ飲んで帰っていくじいちゃんがいます。性別も年齢も出身も経験値も、なにからなにまで違う人というのは刺激的で、毎度楽しくお話をうかがいます。ただ、遊びに来る場所というのが職場で、接客やサービス業でない、普段一般の人は立ち入らない事務所へ、よく通る声とスカッとした顔でやってくるので、仕事がザワザワしている日なんかはスタッフの顔色が気になります。当の本人はなんともあっけらかんとして、しっかり腰を落ち着けて、いつもと変わらぬペースでコップを傾けながらひとしきりお喋り。これが、年の功か。

最近は海外旅行にご執心で、あそこへ行ったここへ行きたいなんて話をします。一昨年、北海道にフィンランド航空が就航するようになったので、じいちゃんの海外嗜好にも火がついた様子。動画配信サイトで音楽を聞いていると、広告にフィンランド航空が出てくるのだとか。

 

「それでよ、CAのお姉ちゃんがまたこつっとした美女なんだわな」

 

こつっとした…わかる。わかるぞ。

ブロンズで肌が白くてスラッと縦長の美女。フィンランドのこつっとした美女。いわば、中国はスクッとした、アメリカはガツッとした、ブラジルはドシッとした美女でしょ?わかる。

 

独特な、でも瞬時にイメージを共有できてしまう日本語のオノマトペ表現が大好きです。個人の感性で感じたままを伝えんと生まれる擬音語擬態語は、人が言葉に託した責任を、最大限かつ最も優しく全うします。

そういえば、ブログタイトル「ほとほとの煮物」も、血のつながった祖母が「かぼちゃをほとほと煮るの。美味しいわよ〜」と言ったところから。

「ほとほとの煮物」と書きたくて - ほとほとの煮物

「こつっとした」とか「ほとほと煮る」とか、日本語表現フリースタイルをのびのびカマしたいと思って、ブログを更新しています。

 

というわけで、

コロナ騒動で予定が全狂いした今週末は、じいちゃんと浜デート。いってきます。