ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

ここまでにしとこ

好きなアーティストがライブもできず、収録もできず、家から出られずでオンライン配信を始めました。酔っぱらったときの気まぐれらしく、予告がないので、完全にサプライズ。ありがとう。

 

「リクエストはいいから話そうぜ」

レモンサワーをカラカラさせながら、コメントに答えます。インタビュー記事で話すような音づくりを垣間見る内容ではなく、家にいて何してるとか、お酒は何が好きとか、人と人のコミュニケーション。まさか、学生時代から支えられていたアーティストとこの距離で向きあえるなんて。わたしも、グラスを傾けました。

話の盛りあがりによって曲のリクエストに応えます。思うままに、思う曲を。ピアノの前に移動したり、ギターをもちかえたりする姿に、音楽が彼の日常にあることを感じます。わたしが、心の底で歌って日々踏ん張ったあの曲も、この環境で生まれていたのです。ネットで歌詞を検索したり、歌い間違えて口の端で笑うのも、彼もわたしも部屋着だから。くん、と胸が苦しくなって、目と鼻を押さえたところで、歌詞を間違えてはにかむものだから、感動もままなりません。好き。

 

そして、いま、まさに、最高潮、大サビというところで

 「ここまでにしとこ」

ギターを置いてしまいました。

 

私たちは、そこを待っていたのに。そのためにAメロBメロサビを2番まで積みあげたのに。そこで号泣するために、感情の昂ぶりを必死に抑えていたのに。

「だってこれ歌ってるとグッときちゃうんだもん」

しょうがない。それならしょうがない。はー、好き。ありがとう。