ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

共通言語で

仕事柄、さまざまな方とお話させていただきます。もともと、よどみなく熱量をもって話をする人が大好き。夢中で言葉を紡ぐ熱量に憧れます。

もちろん、わたしに予備知識のあるお話ばかりではありません。生活していても、知りたいと思うことは能動的に調べるし知らなくても良いと判断したことは知識が浅いまま。なので、夢中になってお話いただくその内容が、琴線に触れない場合もあります。

けれど大切にしているのは、「興味をもって」お話を伺うこと。関心の有無にかかわらず意識して興味をもつことで、テンポ良い相槌がでて質問がわき理解が深まって知識が吸収されます。興味をもつことと熱量ある方の話し口で、「知らなくても良い」ことがぐっと近づき面白く見えるのです。

 

しかし、気をつけなければならないことがあります。それは「聞く」ときより「話す」とき。もしわたしが「熱量をもって話す」場面に立たされたときには「共通言語で」話すことを意識します。

 

聞き手の関心が保証されない場面において、決して独りよがりになってはいけません。いくら信念があって熱量があっても、環境状況やそこに生じる課題において、話し手の活動なり想いなりがどのようなニーズのもとにどのような目標を掲げているのか。きちんと順序立てて話をする必要があります。どれかひとつを飛ばしてしまうと、中途半端な理解のもと結論が与える感動が半減します。専門用語とか、注釈の省略とか、聞き手の知識レベルの過信とか、正確な理解の妨げとなって、もったいない。

 

だから、話し手場面では「共通言語」を用いるべきです。誰にでもわかる言葉で、物事の起因や背景を含めた細やかな説明をはさみつつ、共通理解を確認しながら。その行程を経てはじめて、話し手と聞き手の間に会話が成り立ち、知識の共有に感動が生まれます。

 

興味をひきつける話し手になるために。

夏の学び。