わたしがメイクするときは
メイクが好き。
色も質感も用途も異なる化粧品は奥深く、興味をひかれます。色々買って試すようになると、それらを活かしたくてスキルを学ぶようになりました。いま流行りの動画ツールをのぞくと「こんなメイク術があるんだ」と新鮮な驚きを得られます。
わたしは、
こういうノウハウ紹介のような動画を好みません。
よく見るのは、
La rutina de maquillaje de Rihanna | V0GU3 (traducido al español)
こういう、有名人のお化粧行程紹介。
もちろん、彼ら彼女らは第一線で活躍しているだけに、スキンケアを済ませただけでオーラがあるし、そもそも造形が整っているし、手にしているようなハイブランドの化粧品は到底わたしの手に届きません。本当にメイク術を習得するなら、前者の、一般人であるメイク系Youtuberが、ドラッグストアでも販売している化粧品で、わかりやすくノウハウを教える紹介動画でしょう。
でもわたしは、リアーナを選びます。
彼女が「太って見える」「尻軽女みたいね」なんてオープニングを何回もやりなおしたり、「わたしのメイクは10分で済むけど、たまに10時間に感じる。嫌な予定がある日や…」と無造作にファンデーションを叩きこんだり、新品のリップのゴールドラメに歓声を上げる、その様子にこそメイクの楽しさを感じるのです。
わたしたちは、何のためにメイクをしているのでしょう。
少なくともわたしは、「きょうはこの化粧品で」、「このまえ見た彼女のメイク法で」、「このシャドウ発色が最高」、そんなふうに手を動かしているうちに、朝10分のメイク時間があっという間。嫌な予定がある日も、その時間だけは、わたしのなかで最も輝きます。
たしかに、学んで得るメイク術は美しく実用的で有効。けれど、わたしがメイクに求めるのは、そういう有効性ではないのです。
「YouTubeのメイク動画を真似しちゃダメ。輪郭はみんな違うもの。」
コントゥアリングしながら話すリアーナの言葉を思い出しながら、わたしは今日もシェーディングを入れました。