ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

彼らの音楽が、どうか健やかでありますように

大好きなバンドの、ベースの彼が脱退しました。メンバーが10代の頃に組まれたバンドで、編成変更や解散がありながらも、彼は初期から、バンドの一員として音楽をつくっていました。学生時代の幼馴染同士で組まれたバンド。ボーカルの実家のガレージから始まったと、なにかの音楽雑誌で読みました。彼は、バンドの礎を築いてきたメンバーなだけに、いちファンとしてショックでした。

 

彼らは一度、メンバーの約半分が脱退するという岐路を経験し、一度、解散のちグループ名を変えて再結成という変遷をたどっています。そのたびにわたしは、胸のうちのすっぽり空いた感覚と今後の不安を覚えました。

わたしは、彼らのつくる音楽によって生かされています。

大袈裟ではなく、ライブは当面の生活目標であり、新曲は暮らしの活力です。彼らの曲でプレイリストをつくり、憂鬱な朝に、ひと踏ん張りする仕事の合間に、ご機嫌なドライブにくりかえし聞いています。喜怒哀楽いつも寄り添ってくれるのが、彼らの音楽なのです。

 

メンバーひとりひとりの幸せを願っています。バンドの将来が明るいことを信じています。そして、その光に照らされて、わたしの生活があってほしいと切に思います。

いちファンでしかないわたしが、彼らの行く末を案じたところでなにも作用はしないのだけれど。だからこそ、胸のうちはすっぽりと空き、そわそわとした不安がつきまとうのです。

 

脱退する彼の未来が、どうか明るくありますように。

彼の抜けたバンドが、どうか前を向いていますように。

彼らの音楽が、どうか健やかでありますように。

 

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