ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

1人で

晴れ。ひさしぶりの土曜休日はすばらしい快晴でした。いつもは昼まで寝ているけれど、用事があって平日と同じ時間に起きると、朝日に眩しくつつまれました。シャワーをあびて化粧をして、ごはんはどこか外で食べよう。

玄関を開けると、風も穏やか。春と言うに相応しいお天気です。路肩の雪はまだ高く壁をつくっているけれど、軒先からパタパタと雫の落ちる音が聞こえます。用事は午前中いっぱいかかって、ようやく息をついて腕をぐるんとまわすと、肩が軽くなりました。ごはん、どうしよう。

 

休日。まっさおな空。風は穏やか。昼少しまえの時間。

海でパンを食べよう。

パン屋さんで甘いパンを買って、カフェでホットコーヒーをテイクアウトして、波の音と潮風をうけながらランチしよう。好きな音楽をかけて、1人だけで春を味わおう。

 

「それ、変だよ」

母に言われました。その日の夜、電話がかかってきたのです。雑事と近況報告をして、「きょうは何をしていたの」と言うので、「海でパンを食べていた」と返しました。

 

土曜の昼下がり。女1人。海辺で音楽を聞きながら、パンを食べていた。

 

「変だよ」

「でも、晴れの休日に外でランチしたいと思うのは普通でしょ」

「そうね」

「海辺で、女の子が2人3人あつまってピクニックするのは楽しいでしょ」

「うん」

「晴れの休日、海辺で、女が1人パンを食べるのだって最高じゃない」

「変だよ」

 

最高なことは、1人だろうが2人だろうが最高。むしろそれぞれに良さがありますから、1人でも2人でもやってみるべき。

わたしはこれからも、休日に海でパンを食べるでしょう。

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