ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

幸せな人生

「まさか」

という嬉しいことが、人生に起こります。

でもそれは、

「まさか」

という悲しいこととセットです。

 

車で2時間かけて、講演を聞きに行きました。うっかり開演時刻を見誤って10分ほど遅刻。慌てて受付に向かうと、当日券が売切れ。前売り券を買っておけばとお思いでしょうが、会場でしかチケット売買がされておらず、事前に問い合わせた電話では「余裕があるので当日券でも大丈夫」とのことだったのです。安心しきって、うっかり安心しすぎて遅刻したら、この始末。

2時間もかかったのに。

これを楽しみに今週がんばったのに。

わたしが何をしたっていうの。

すべてを否定された気分にまでなって、もうぜんぶ駄目なんじゃないかとすら思えて、駐車場で打ちひしがれること1時間。すると、裏口からこちらに歩いてくる人影。お会いしたいと思っていた、講演者の方でした。

 

休憩時間で、煙草を吸いに車まで出てこられたというその方の車は、わたしの車の真隣。興奮して、何をお話ししたかなんて覚えていません。ちゃっかり写真まで撮ってもらって、「講演を聞くより良かったんじゃないですか」なんて言われて、ニヤニヤしながら2時間の帰り道。それはちょうど、1時間前のあの絶望感と同じだけの多幸感でした。

 

「まさか」

という嬉しいことが、人生に起こります。

でもそれは、

「まさか」

という悲しいこととセットです。

だから、どんなに悲しくても苦しくても、そこで腐って立ち止まらずに、そのぶんやってくる嬉しいことを信じて頑張りたいと思います。

 

ゲンキンなやつ、と思われるかもしれません。

こんな些細な出来事で何をわかったようなことを、と呆れられるかもしれません。

けれど、わたしはそう信じて明日からまた頑張ります。そう信じるわたしの人生は、よっぽど幸せです。