ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

ご褒美

年末、ボーナスが入ると自分へのご褒美として少し値のはるものを買うことにしています。昨年はちょっと良い時計。一昨年はパソコン。でも、今年はありません。なぜなら、年の半ばに車を買ってしまったから。父から残債とともに譲り受けたそれは、とてもじゃないけれど例年のご褒美の比ではありませんでした。ボーナスすべてを充ててようやく、という額に、年末の贅沢は許されません。

でも。でも。でも。

どうしてこの時期は、購買意欲がやたら刺激されるのでしょう。殊更に、近頃のネット広告は検索傾向を把握した上で広告をうってくるので、タチが悪いです。その日わたしの目に留まったのは「2つ目無料!」の文字でした。

 

中国コスメブランドのアイシャドウ。大振りのそれは、1つのパクトに質感の異なる12色がとじこめられていて、おそらく、お化粧に興味のない人だったら一生かかったって使い切れやしないでしょう。わたしだって、すでにシャドウパレットを3つも4つも持っているのですから、一生分のアイシャドウを有していると言っても過言ではありません。けれど、その異なる色味、異なる質感、異なる輝きのなかから、その日の気分に合わせた数色を組み合わせて瞼にのせることを想像すると、いてもたってもいられないのです。それは、わたしの健やかな毎日のため。苦しいことも悲しいことも、目元がキラキラしているというだけで、少しだけ踏ん張れる気がするのでした。その意義の前には、シャドウパレットなんていくつあったって足りやしないのです。

 

そういうわけで、たった数千円で購入できる12色、いえ、2つ目が無料ですから24色が、2022年のわたしの毎日を彩るのでした。

 

今週のお題「買ってよかった2021」