甘やかな年の瀬
「もう年の瀬だしあとは来年、と惰性的になるこの時期が嫌いじゃない」
どこかの誰かが言っていました。2021年も残すところ4日。クリスマスという一大イベントを終えて、仕事納めされる方もいて、これは、紛うことなき年の瀬。でもわたしはどこかまだ2021年を諦めきれていないようで、「あとは来年」という言葉に豆鉄砲を喰らった心地がしました。
2021年は、大きく動いた年でした。いえ、大きく動くはずの年でした。
なにぶん、昨年が大きく動いた年だったので、その勢いのままさらに飛躍させる年にするはずでした。平たく言えば、独立しようと企てていたのです。けれど、諸々あって独立計画が頓挫、わたしの「今年度いっぱいで辞めます」宣言だけが後に残り、計画を立て直すか転職か、その決断を迫られたのがつい先月。その衝撃から未だ立ち直れず、ずるずると迎えた年の瀬、というわけです。いえ、こうして文章にできているのですから、まだ回復していると言えるでしょう。12月の半ばまでは、なんだかもう、ほんとうにダメでした。
2021年を諦めきれず、この年の瀬に未だダラダラと夜更かしなんかをして、お酒をあおり、時間を浪費しています。
もうすっぱり、「あとは来年」と投げ出せればよかった。
すべてを認めて、惰性に落ちることができればよかった。
でもわたしは、未だ「年の瀬」に甘やかな響きを感じられず、正月休みも新年も、本当にくるのかと疑っています。せめて2022年は、こんなわたしでも安心して眠れる夜を、なるべく早く取り戻してやりたいと思います。