ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

修学旅行

修学旅行といえば、グループ定員にあわせて誰と組むかに頭を悩ませ、決められたルートをぞろぞろ連れられ、就寝起床集合時間に縛られた思い出です。もちろん、バスガイドさんの印象的なご当地トークとか、就寝時間のおしゃべりとか、行ったことのないところへ行くワクワク感を覚えているけれど、特別に、修学旅行が「底抜けに楽しい」旅行であった記憶はありません。

「大人の修学旅行をしよう」

だから、そう言われるとやっぱりみんな修学旅行が好きなんだなと思います。

 

「大人の修学旅行」と銘打った旅行をしてきました。飛行機と車に乗って、2泊3日の山形旅。「日本酒が好き」という人に手当たり次第声をかけて、山形に詳しい友だちにナビゲートしてもらって、ひたすらにお酒を飲む旅。旅程を組んでくれた友だちは「大人の修学旅行をしよう」と言いました。

午前午後にそれぞれ1箇所程度の目的地で、あとはその時の気分次第。夜は日付が変わるまで起きていて、朝は出発時間を決めてギリギリまで布団の中。みんなで集まって歩くこともあれば、バラバラになってなんとなくのタイミングで集まるわたしたちの旅は、わたしの感覚では「修学旅行」と言えない、自由で気ままな旅でした。楽しいこと「しか」ありませんでした。

 

でも、そういえば、昨年のこの時期にも同じく旅行していて、メンバーの1人が「修学旅行をしよう」と言ったのでした。みんなにとって、同年代の友だちが集まって、旅程を組んで同じ目的のもとに動く旅は「修学旅行」のイメージなのでしょう。そしてそこには「学生時代に体験した底抜けに楽しい旅行」という最も重要な要素があるのだと思います。わたしはその要素にピンときていませんから、「底抜けに楽しい」修学旅行を経験し得なかったということです。ちょっぴり悔しくもあり、けれど、「底抜けに楽しい」旅行を大人になった今も新鮮に感じられることが嬉しくもあるのでした。