ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

新品のノートが見つからなくて

ベッドサイドのチェストには、文房具を中心に細々としたものを収めています。新品のノートやファイルはもちろん、全ページ埋め尽くしたノートやスケジュール帳なんかも、捨てることができずに全てそこ。そうすると、新しいものも古いものもいっしょくたになって、探し物にはひと苦労です。

「あれ…新品があったはずなんだけど…」

お気に入りの手帳は、無印のA5サイズリングノート。大学時代の尊敬する先輩がメモ魔で、会議の内容から来週の予定からセミナーの感想まで、真っ黒になるほどメモをとる人でした。彼女が使っていたのが、無印のA5サイズリングノート。わたしも先輩のようになりたくて、打ち合わせの予定から講習会の内容から就活のあれやこれやまで、そのノートに書き込むようになりました。大学時代に使い切ったノートは6冊。そして、卒業後も会社で教えてもらったこと、来週の予定、仕事のアイデアなんかを、そのノートに書き込んでいました。

 

けれど、いつしか、ノートを持ち歩くことをやめました。いつからだったかは覚えていません。ただ、たぶん、ノートを持ち歩くことをやめたころ、わたしは何かを諦めたような飽きたような嫌気がさしたような、そんな気がします。

「これでいいか」

新品のノートは見つからなくて、仕方なく、しまいこんだノートの続きページから、また書き始めることにしました。覚えのないプリントが数枚挟まっていて、角は擦り切れて、2/3ほど書き込まれたノート。なんだか、開くのが恐ろしい感じがします。でも、わたしはまた、このノートに書き込みたいことができたのです。書き残さねばならないことがあるのです。深く呼吸をひとつして、使いかけのノートを開きました。

 

今週のお題「手帳」