ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

女の答えは

本を貸してもらいました。プロレス好きの先輩が、プロレス好きのライターさんの新刊を読んでくれといって、貸してくださいました。

 

わたしは、プロレスが特別好きということではありません。その先輩の話を聞き、興味を持って見に行ったことはあるけれど、それ一度きりでした。だから「プロレス好きのライターさんが出した、女子プロレスラーにインタビューした本」より、「プロレス好きのライターさんが文章を書けなくなったとき、プロレス好きの編集さんに出会い、女子プロレスラーたちにインタビューしていくことで、再び書けるようになった本」と聞いたとき、断然興味がわきました。

 

「あなたにとって、強さとは?」

くりかえされる質問。女とは、幸せとは。わたしが悩む根源的なことを、著者であるライターさんも悩まれていました。そして、「感情で戦う」と言われる女子プロレスラーたちもまた、同じように悩んでいるのでした。

まっすぐに前を向いて、身体と心で体当たりする女子プロレスラーたちも、同じように女で、幸せを求めていて、そして一生懸命なのでした。

生い立ちや考え方、スタイルの違う彼女らのインタビューは三者三様で、そのたびに泣いてしまいました。覚悟や勇気、過剰に飾ることのない言葉に心動かされました。

 

インタビューを終えて本の後書きで、著者は「わたしはもう、大丈夫です」と書きました。編集さんと衝突して、インタビューの出来に一喜一憂して、女子プロレスラーに会いに仙台まで行った彼女のその言葉は、疑いようがありませんでした。

 

プロレスは、正直よくわかりません。

彼女たちのことは、この本で初めて知りました。

でも、女子プロレスを見てみたいと思いました。