時は金なり
今週のお題「人生で一番高い買い物」
まちがいなく、大学進学費。奨学金で捻出されたそれを今でも返しつづけています。このさきあと20年くらい返しつづける予定です。げろ。
わたしが大学進学を決めたのは「先生が大学へ行けと言うから」でした。母校が所謂進学校で、今にして思えば、大学進学率を上げたかったのだと思います。まわりの子たちもみんな一様に進学を決めていました。
ただわたしは、どこへ行きたいか、なにをしたいか、まったく思い当たりませんでした。休み時間のたびに進路指導室へ行き、大学のパンフレットを片っ端から読みあさり、進路学習の時間にやった適正テストの結果と睨めっこしました。でも、大学のさきにつながる進学の目的が見出せませんでした。小説家、インテリアコーディネーター、教師、お笑い芸人…歴代の将来の夢です。統一感皆無。大学進学がピンとこないはずです。
結局、北海道を出る勇気がなくて、ほのかに興味のあった「心理学」を選びました。もっともらしい理由をつけるのは得意なので、先生も親も納得して、進路希望調査の記入欄が無事埋まりました。勉強をして、滑り止め校を調べて、模試を受けて。その流れで、両親に言われるまま奨学金の申請をしました。それがどんな制度か、誰がどのようにいつまでそれを返済するのか、なにも理解していませんでした。
こういうと、後悔しているように聞こえます。
奨学金なんて借りずに、真面目にコツコツ、興味のあることに一生懸命になれば良かった。
せめて、奨学金とはなんたるかを理解しておけば良かった。
それだけの覚悟をして、この「奨学金」という負債に手をつけるべきだった。
まあ、そう。そうです。
でも、だからといって、わたしが大学時代に経験したあれこれをゼロに帰すかと問われたら、答えはNOです。大学に行って良かった。あの時間があって良かった。
時は金なり、とはよく言ったものです。あの時間は、たしかにこの返済額に見合うだけの価値がありました。だからわたしは、いま大人しく奨学金を返済しています。