きらいな給食
わたしは、給食が好きではありませんでした。給食といえば、子どもたち誰しもが、その時間を心待ちにしているイメージですが、わたしは思ったことがありません。
小学生が両腕を広げてようやく持ち上げられる平たい銀の容器に詰められたごはんは、右のほうがべちゃべちゃ、左のほうはかぴかぴしているし、それをおかずと一緒に流し込もうにもおかずはみんな薄味でひんやりと冷め、ご当地メニューなのか知らないけれど時々よくわからない魚介類が混じって、それらはみんな硬く味が薄くてゴムのよう、汁物は最後のほうになると分配を誤って少なくなっているし、そもそもごはんに牛乳という組み合わせがよくわかりません。
アニメのキャラクターやドラマのワンシーンでは子どもたちが給食を前に心躍らせる描写がありますが、わたしはちっとも理解できませんでした。
まあ、唯一好きだったのは、火曜日の麺類と木曜日のパンメニュー、2週に1回のカレーの日。
ソフト麺を袋の上からスプーンで切り分けて、つけ麺風に少しずつスープにつけるとちょうど良く食べきれました。ラーメン、ミートソース、ジャージャー麺は、毎回食缶が空っぽ。なんだか清々しい気持ちになりました。
パンは、マヨネーズパンが好きで、2枚入りの食パンの日は1枚だけにこれでもかとジャムを塗りたくって食べました。ピーナッツバターは苦手でした。
カレーは、ポークだろうとチキンだろうとビーフだろうと美味しくて、母にも、学校の給食のような辛みのないカレーをねだりました。ホッキの入ったご当地ホッキカレーは許していません。
…こうも思い出がよみがえると、わたしは案外、給食が嫌いでなかったのかもと思います。
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