ほとほとの煮物

お口にあうかどうか

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

さいご

さいごのときって、どんな気持ちなんでしょう。卒業式とか、引越しとか、仕事を辞めるときとか。 あしたついに、前職をきっぱり辞めます。退職後、食い扶持としてアルバイトさせてもらっていた前職場でしたが、繁忙期も終わり人手が足りるとのことで、悩んだ…

ごはんだよ

ここ2日ほど、同居人が帰ってきています。なんだか不思議な表現ですが、シェアハウスに暮らすわたしは、同居人の実家が近いことからあまり帰ってこず、古い一軒家に実質一人暮らしをしているというわけです。同居人は仕事に集中したいときや楽器を弾くとき、…

冬に向けて

空が高い。細切れのうろこ雲がでて、お天気だけれど風は冷たくて、朝晩は一枚羽織らないと寒いほど。 冬が近づいています。 最近、実家に帰ろうかと悩んでいます。 古い一軒家を借りての一人暮らしし。本当はシェアハウスなのだけれど、同居人の実家が近くに…

居酒屋人間観察

「おい〜急に連絡してくんなよ!」 白いブラウスに細いリボン、毛先をゆるく巻いた栗色の髪を揺らして、女の子が言いました。わたしより2つ3つ下でしょうか。いえもしかしたら同い年、上なんてことも考えられます。女性の年齢はわかりません。ただ、小動物の…

そういう日

タイヤをパンクさせました。 いつもはなんともない自宅の駐車場でこすって、盛大にシューシューいうタイヤをなんとかガムテープで押さえようと一旦家にあがって戻った頃には、ぺちゃんこの左前輪。すぐに車関係に勤めるしりあいに連絡してみるけれど、修理不…

終わること、始まること、選ぶこと

すべて納得したように、こんな文章を書きました。 hotohoto.hateblo.jp 「終わりよければすべてよし」とはよくいったもので、終わらせて始めてみてもなんとか無事に生きているのでこんなことが言えたけれど、やっぱり、選ぶことは痛い。痛いということを思い…

終わること、始まること

9月だ。 好きなタレントさんが今月のイベント情報を出していて、気付きました。友だちの誕生日が来たし、虫の声が耳障りなキリギリスからころころ鳴くスズムシに変わったし、夜の風が冷たくなりました。今年が始まって3分の2が終わったし、わたしが仕事を辞…

最近の悩み

「ひさしぶり。覚えていますか?」 ひかえめなメッセージ。インスタでもツイッターでもなく、フェイスブックのメッセンジャーでした。 「たまたまあいちゃんの投稿を見つけて、懐かしくなってメッセージしてしまいました。迷惑だったらごめんなさい…」 小学…

きらきらのお砂糖

どうしても、パンを食べたくなることがあります。 パンについて語らせたら、仲のよい友だちもちょっとひきつった笑いを浮かべるほど、パンに対する熱量は高めです。どうしてもどうしても、パンがたべたい。それが、きのうのお昼でした。 昼すぎに用事を終え…

出張だけど旅

「JRまで少し時間がある」 朝イチでランドマークになっている建物を見て、お土産を買って、市場を見て、駅前のコワーキングスペースで休憩がてらに仕事をしながら時刻表を確認しました。平日なのですれ違う人の姿はスーツや制服が目立ちます。お土産屋さんも…

天候、晴れ

「晴れてよかったね」 彼女が言いました。背丈の1.5倍はあるひまわりと一緒に写真を撮ってくれとねだるわたしに、バシャバシャと十分すぎるほどシャッターを切ったあとのことでした。 北海道の右下への出張を終えて、十勝に暮らす友だちを訪ねました。大学で…

誰も傷つけないツッコミを

中学生のころ、お笑い芸人を目指していました。半分冗談で、半分は本気。当時仲のよかった友だちと、地域で1番偏差値の高い高校を志望して「もしダメだったら札幌吉本の門戸を叩こう」と約束したのでした。それほど、わたしたち2人は何気ない会話を重ねて、…

ゲストハウスの夜

「十勝の峠を越えて目の前に平野が広がったとき、ゼルダのゲームで見たあの感覚があって、興奮しちゃったんですよね」 ゲストハウス。消灯後、キッチンのカウンターにつけられた2つのペンダントライトだけが灯って、それを囲んだわたしたちの顔に不思議な影…

魔法の街

映画「千と千尋の神隠し」のワンシーン。人の影もない抜け殻みたいな街に夜の帳が下りると、ふわっと明かりが灯ってどこからともなく人がわいてくる。その光景が、まさに目の前に広がっていました。 大きな街の飲み屋街に行きました。時間は午後5時。まだ陽…

古書店

晴れた日でした。その街にしてはめずらしく、朝からよく晴れていました。店先に出された本が、少し西に沈みかけたオレンジの陽を受けてカラリと気持ち良さそうでした。目の高さくらいまでの本棚には文庫本がギッシリとつめられ、その足元にも「ミステリ105円…

感謝して生きる

「女の人はな、時刻表が読めないんだ」 国鉄職員だった祖父が、母に言ったそうです。列車の発着時刻を聞いてくるのはいつも女性だと。だから、時刻表が読める女性は稀で、デキる女だと。母はそれを聞いて、少しムキになって時刻表の読み方を覚えたとか。でも…