好きなことについてなら、永遠に語れるものと思っていました。わたしは文章を書くのが好きなので、なんでも言葉にしなければ気が済みません。最高だと思った瞬間、好きなことの好きなところ、そのときの感情まで、言葉にしてより多くの人に知ってほしいと思…
天候、晴れ。 気温、そこそこ。 コーディネート、良し。 お化粧、ばっちり。 推しに会いに行きました。ふだんは東京で小規模イベントを開催する彼らが、北海道に来るといいます。車を飛ばしてザッと5時間、喜び勇んで駆けつけました。 好きなひとに会えるの…
思えば、ずっと“音”とともにありました。 音楽にハマりだしたのは小学生の終わりごろ。中古CDショップでジャケ買いしたのは、Mr.Childrenとポルノグラフィティでした。我ながら、このころのチョイスが音楽の道筋をつくったと思います。中学でお気に入りのア…
「どうして、彼に話そうと思ったの?」 先日の「女をしたい・男をしたい」話が面白かったので他の人にも話したら、尋ねられました。どうしてって、なんだよ。 男性に(かわいいな)と思われたくて女らしさをアピールする「女がしたい」行為。これを男友だち…
「面白いと思う定型ってある?」 思い詰めた顔で尋ねる彼。なんでも、小説投稿サイトで連載中の作品が、PV上位に食い込んでいるそうです。コンスタントに投稿していたけれど、ネタ詰まりだとか。一緒に聞いていた彼女は、流行ったドラマの一節とか、昔読んだ…
わたしの毛根はひん曲がっています。 くせ毛は、毛根の形が曲がっているために生えてくる髪がうねってしまうというのをご存知でしょうか。うちは父も母もくせ毛。疑いようもなく、わたしの毛根はひん曲がっているのです。 「あいは、その髪で飛べるんでしょ…
「女をしたい」 漫画家のヤチナツ先生がSNSで描いていました。「女をする」。女性らしさをアピールして、男性に(かわいいな)と思ってもらうこと。なにも、ちやほやされたいわけではないのです。あざといと言われたら、そうかもしれません。大袈裟にリアク…
これはラブだな、と思いました。 彼女が「友だち」と紹介した男性。彼女より1つ歳下、わたしと同い年。北海道の左上に暮らす彼女と、札幌に暮らす彼ではそう頻繁に会えないだろうと思いましたが、彼女が札幌に行くたび飲みに行くそうです。 「すっごくいい人…
「たこ焼きの街ってないでしょ!?大阪くらいじゃないすか!大阪とここ、2択にして勝ちにいきましょうよ!!!」 ビールジャッキを片手に、語気を強める彼。 「うるせえよ」 わたしはその言葉を、ビールでぐっと流し込みました。 北海道の左上は、お祭り好き…
気になった曲の歌詞を調べることがあります。 インスタグラムのリールをぼんやりと眺めていて、目に留まった動画。バックに流れている女性シンガーの歌声に心惹かれました。ハスキーで、一言一句大事にするように歌われる単語は英語でした。曲名を調べ、和訳…
週に1度、ちゃんとした自炊をします。一人暮らしなので料理しなければごはんが出てこないわけですが、面倒なので適当なごはんを作ります。卵焼きとか目玉焼きとかゆで卵とか納豆とか、冷蔵庫にある野菜をチンしたり、オートミールにキムチや豆乳で味付けした…
わたしは、給食が好きではありませんでした。給食といえば、子どもたち誰しもが、その時間を心待ちにしているイメージですが、わたしは思ったことがありません。 小学生が両腕を広げてようやく持ち上げられる平たい銀の容器に詰められたごはんは、右のほうが…
ひさしぶりに、映画を見ました。夜10時から見始めて、朝まで。ほんとうは1本だけ見てやめるつもりだったけれど、選んだのが2時間半の超大作胸糞映画。残忍さをエロとグロで塗り固めたみたいなミステリーサスペンスを午前0時30分に見終わって、とてもじゃない…
わたしが北海道の左上で暮らすことを選んだ理由のひとつは、隣人との距離が近いことでした。ご近所付き合いということではなくて、たとえば、居酒屋のカウンターに座ったとき。 「おねえちゃん、どこから来たの?」 とマスターに声をかけられ、隣に座る人に …
「えっなんで!?」 会うひと会うひと、驚かれます。その反応が面白くて、にやにやしています。 髪を切りました。 小中とショートヘアで、高校生から髪を伸ばしはじめました。スカートを1着も持っていなかった小学生時代の反動か、女の子らしい格好に憧れが…
並んだ本の背表紙を眺めるのが好きです。 わたしが本を読むようになったのは小学校にあがるまえ。父が漫画好きで、実家の父母の寝室にある本棚には、古い漫画の背表紙がズラリと並んでいました。往年のギャグ漫画とか、1巻完結の短巻漫画は父の実家であるお…
ここに住みたい、と思いました。 わたしは、北海道の左上に住んでいます。ただ、髪を切るのは大学時代からお世話になっている美容師さん。車で2時間とちょっと、コロナ禍に自車でトンボ帰りしていたこの2年でしたが、もうそろそろと思い、一泊設けてバスで行…
「ごめん、おつかいお願い」 週2ではいる居酒屋バイト。もとはお客として通っていたのを、人手が足りないとかで声をかけてもらいました。 「なんか綺麗な子はいってるじゃない!」 「いやー…そうでもないよ?」 と軽口をたたかれるくらいには、アットホーム…
今週のお題「夏物出し」 いまだにコタツを出したままのわたしは、ピンときません。朝や晩に気温が1桁まで落ちることがあり、手の届くところにライトダウンを置いています。 一昨日なんて、 「山菜たべません?」 のメッセージ。職場の先輩が「いただいたけど…
甘えたい。 誰かに、恥も外聞もなく思いっきり甘やかされたい。 もしくは、もふもふしたやわらかいものの腹に顔を埋めたい。 朝起きて、こう思ってしまったらもうその日はダメです。やらなければならないことは一向に進まないし、視界の端のベッドがやたら目…
春が好き、という人が多くてびっくりしました。厄介な雪が溶けてなくなる、暖かくなる、草花が芽吹く、桜が咲く。まあ、たしかに。でもわたしは、春がきらいです。 小学校では、2年ごとのクラス替えのたび、憂鬱な新学期を迎えました。それまで仲の良かった…
今週のお題「人生で一番高い買い物」 まちがいなく、大学進学費。奨学金で捻出されたそれを今でも返しつづけています。このさきあと20年くらい返しつづける予定です。げろ。 わたしが大学進学を決めたのは「先生が大学へ行けと言うから」でした。母校が所謂…
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか ポール・ゴーギャン作絵画作品のタイトルですが、妙に詩的で共感性の高い言葉です。人間ならば、父と母がいて、母の胎内で芽生えた生命が産道を通りこの世に生まれ落ちて、生きて、土に還っていく…
前髪を切りすぎました。 ひさびさに、切りすぎました。 大学時代からお世話になっている美容師さんはやたらと前髪を短くするひとで、一緒にお世話になっている母と2人で「また美容師さんに前髪もっていかれた…」と嘆いています。でも、その美容師さんもメじ…
「こんにちは」 幼いころ、近所のひとにあいさつするのが苦手でした。とくべつ人見知りというわけではないけれど、ご近所さんとのコミュニケーションは、わたしにとってすんなりいくものではありませんでした。 「ご近所のおじちゃん、おばちゃんに会ったら…
「コーヒー豆を買いにいこう」 思い立ちました。 休日、昼過ぎから始めた作業には終わりが見えず、いくら、ここのところ日が長くなってきたとはいえ、すっかり夜の帳が下りています。外はひっそりとして、ひとりきりの家の静けさに拍車をかけました。 これは…
北海道の左上では、ようやく花々が太陽に向かって花弁を広げています。スイセン、チューリップ、ナノハナ、そしてタンポポ。この春に引っ越してきた、古い一軒家の広い庭にも、タンポポがあちらこちらで咲いています。もちろん植えた覚えなどありませんから…
つぎは、ウドをもらいました。 山菜友だち(山菜を採ってきてくれる友だち、の意)が、フキに続いてくれたのはウド。スーパーなんかで白っぽいのを見かけたことはありますが、「ほい」と手渡されたのは、深い緑色に節がぼこっとして、触るとチクチクするくら…
「え、お姉ちゃん、それ、彼氏?」 妹が、わたしのホーム画面を見て低い声で一言。毎日目にして日常に溶けこんだホーム画面は、妹に言われてもなお、何のことやらピンときませんでした。え、わたし、彼氏なんていたっけ? 改めて見ると、ずいぶん前に好きな…
「一緒に行こうよ」 母にメッセージ。地元で開催されるトークイベントで、母とわたしが興味を寄せるテーマでした。 「この人が来るなら、あい、行きたいよね。いいよ、行こうか」 あら? 予想していた反応と違って、虚をつかれた気分。 母は、不思議なメッセ…